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その1適性検査とは?
1.適性検査とは?
公立中高一貫校の受検には、「適性検査」があります。この検査は簡単に言うと筆記テストのことなのですが、その内容について詳しくご存じでない方も多いようです。これは、私立中学受験のような教科別の試験ではなく、教科を超えた総合的なものです。つまり、身近な環境問題を考えながら計算をしたり、リサイクルの材料を使って理科実験をしたりする問題などが取り上げられます。また、多くの学校の受検で作文が課せられます。大きな傾向としては、全体を通じ、「なぜ、そう思うのかあなたの考えを書きなさい」というような、答えが1つに決まらない「考える力」を問う問題が見られます。
2.適性検査"誕生"の話
公立中高一貫校の受検では、「入学試験」という言葉を使いません。それは、学校教育法の規則によって、公立中学校は入試による学力検査を禁じられているからです。この規則は、もともと受験競争の年齢が低くなるのを防ぐために作られたものでした。そこで公立は「学力を見るためのテストではなく、あくまでも作文などを通して考える力や、表現力をみるためのもの」として適性検査を行うことにしました。
また、そのねらいは、単なる知識の詰め込みではなく、自分で問題を解決できる能力を持ち、リーダーシップを発揮できる子どもたち、すなわち将来の日本を担っていく"原石"を見出すことにあります。そしてその原石を6年かけて光り輝く宝石に磨き上げることこそが公立中高一貫校の理想なのです。
3.どのような準備をすればいいのか?
適性検査に合格するだけの力を身につけるためには、次の4つを日頃から心がけておきましょう。
(1)ニュースや身のまわりのできごとについて興味を持つ
ごみのリサイクルや地球温暖化、少子高齢化など、ふだん身のまわりにある社会問題に興味を持ち、自分の意見をまとめておくことが大切です。その対策としては、新聞やテレビのニュースを見てメモを取ったり、その問題について家族で話し合ったりすることが効果的です。
(2)教科書に書いてあることをしっかり身につける
まず、教科書のマスターが大切なことは言うまでもありません。さらに参考書、問題集を使って、教科書に書いてあることを深く理解することを心がけましょう。社会や理科については、小学校4年生から6年生までの内容をひととおり覚えておくことが必須です。しかし、これだけでは不十分です。なぜなら、適性検査では単純に知識をたずねる問題はまず出ないからです。例えば、理科の実験では「なぜそうなるのか」「毎日の生活の中で、それがどのように応用されて使われているのか」など、実験の過程を説明したり、身近な事柄に置き換えられる応用力が問われます。これに対応するには、興味の幅を広く持って、どんなことについても、疑問点を自分で調べていく習慣をつけることが大切です。
(3)過去問にできるだけ触れ、時間を計りながら解く
また、実際の受検では、「時間」についての配慮が必要です。つまり、「与えられた時間」の中で、いかに解答に近づけるかがポイントになるのです。これを解決するには希望する学校の過去問を手に入れ、実際の受検と同じように時間を計り、ペース配分を考えながら解いてみることが大切です。また、いろんな学校の過去問にも挑戦してください。公立中高一貫校の問題内容は、それぞれの学校で異なりますが、「読む、考える、書く」形は共通です。そのため、できるだけたくさんの過去問に触れておくことで、どのような問題にも対応できる実戦的な力が育ちます。
(4)作文の力をつけよう!
作文は、ほとんどすべての学校で出題されます。それは、公立中高一貫校が受検生に求める能力である「考える力や、表現力をみる」ことに「作文」の出題が最適だからです。作文の形式としては、自分の考えや意見を300~600字程度で書かせるケースが多く見られます。作文の基本を身につけるには、とにかく書くことです。毎日少しずつでも自分の考えを文章にまとめる習慣をつけましょう。また、相手にわかりやすく、正確に伝えることも大切です。起承転結や序論・本論・結論など論理的な文章の書き方に慣れるようにしましょう。