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カッシー先生

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カッシー先生

中学受験40年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
ホームページ https://koto.1web.jp

お金の誕生と役割について考えよう


 お金がまだなかった時代、人々はおたがいにほしいものを交換し合っていました。これを「物々交換」といいます。しかし、その人がほしがるものを自分が持っていなかったらどうなるでしょう。「○○と交換してください」とお願いしても、「□□じゃないと交換したくない」と言われたら、交換は不成立に終わります。要は、物々交換はおたがいにほしいものを持っていなければ成立しません。

 そこで考えられたのが、みんなが同じ価値を認めるものをつくり、それを仲立ちにして、ほしいものを交換するしくみです。この仲立ちをするものがお金です。

 最初にお金として使われたのは、貝や石、布などでした。そのうち、人々がさまざまな場所に出かけていって商売を始めるようになると、お金の役割はますます重要になり、金属でできたじょうずな硬貨(こうか)が世界中に広がっていきました。いまでは、「ものを買う」とは、「お金」と「もの」を交換することをいうようになりました。

 お金には、「ものを交換する」「ものの価値をはかる」「ものの価値をためる」という3つのはたらきがあります。

 1つ目の「ものを交換する」とは、最も基本となるお金の役割です。たとえば、1個のアイスクリームを買うために、100円はらうということです。お金を仲立ちとしてものを買います。

 2つ目の「ものの価値をはかる」とは、値段というものさしで、ものの価値を決めるはたらきのことで、お金という単位を利用します。1個のアイスクリームが100円という値段が決まることで、ものの価値を決めるはたらきをもっています。

 3つ目の「ものの価値をためる」とは、ものを売ってお金に換えるということです。アイスクリームは時間がたてばとけます(食べ物はくさります)が、お金はそのままです。ものを売ってお金に換えれば、ものの価値を失うことなく持ち続けることができます。

 このように、お金の誕生(たんじょう)はいわば必然的ということができ、ものを交換するためにはものの価値をはかる必要があり、派生的にものの価値をためる役割も担(にな)うようになりました。


掲載日:2023年4月10日

円高と円安のちがいを正しく理解しよう


 早速ですが,1組80円で売っていたカードが,ある日100円になっていたとします。このとき正しいのはどちらでしょうか。
 A カード安
 B カード高
 簡単ですね。答えは当然Bです。

 では,1ドル80円だったものが,ある日100円になりました。このとき正しいのはどちらでしょうか。
 A ドル安
 B ドル高
 カードがドルになっただけです。答えは当然Bですね。

 次の問題です。1組80円で売っていたカードが,ある日100円になっていました。このとき正しいのはどちらでしょうか。
 A 円安
 B 円高
 これは少しややこしいかもしれません。これまで80円で買えていたカードが,100円出さないと買えなくなったということですね。言い方を変えれば,これまで80円と交換(こうかん)してくれていたカードが,100円出さないと交換してもらえなくなったということです。カードから見ると価値が上がったということですが,円から見ると価値が下がったことになります。したがって答えはAです。

 最後の問題です。1ドル80円だったもの,ある日100円になりました。このとき正しいのはどちらでしょうか。
 A 円安
 B 円高
 先ほどの問題と同じです。カードがドルになっただけですから答えはAです。

 円高,円安について考えるときには,どちらかを品物にして考えるとわかりやすくなります。
 たとえば,円安になると輸出には有利といわれていますが,なぜかわかりますか。1ドル80円から100円になることが円安の例だといいましたが,このとき日本で160万円する車をアメリカで売ったとします。1ドル80円のときは160万円÷80円=2万,つまりこの車は2万ドルで売ることになります。これが1ドル100円になると,160万円÷100円=1万6千,つまり1万6千ドルになるわけです。
 値引きはしていませんので,利益は変わりません。それなのにアメリカでは20%も値段が下がったことになります。つまり,それだけ多くの日本車がアメリカで売れることになるのです。

 しかし,逆にガソリンなど輸入にたよっている品物は値上がりとなります。また,海外旅行に行くときには,費用が高くなってしまいます。円安にも良い面と悪い面の両方があるのですね。


掲載日:2023年1月31日