PROFILEカッシー先生プロフィール
中学受験40年のキャリアがお届けするとっておきの秘策。特に公立中高一貫校の適性検査では,社会科的な知識だけでなく,算数で学習する割合なども同時に求められます。社会と数的処理をじっくり解説していきますよ。
高桐アカデミー塾長 カッシー先生
ホームページ https://koto.1web.jp
円高と円安のちがいを正しく理解しよう
早速ですが,1組80円で売っていたカードが,ある日100円になっていたとします。このとき正しいのはどちらでしょうか。
A カード安
B カード高
簡単ですね。答えは当然Bです。
では,1ドル80円だったものが,ある日100円になりました。このとき正しいのはどちらでしょうか。
A ドル安
B ドル高
カードがドルになっただけです。答えは当然Bですね。
次の問題です。1組80円で売っていたカードが,ある日100円になっていました。このとき正しいのはどちらでしょうか。
A 円安
B 円高
これは少しややこしいかもしれません。これまで80円で買えていたカードが,100円出さないと買えなくなったということですね。言い方を変えれば,これまで80円と交換(こうかん)してくれていたカードが,100円出さないと交換してもらえなくなったということです。カードから見ると価値が上がったということですが,円から見ると価値が下がったことになります。したがって答えはAです。
最後の問題です。1ドル80円だったもの,ある日100円になりました。このとき正しいのはどちらでしょうか。
A 円安
B 円高
先ほどの問題と同じです。カードがドルになっただけですから答えはAです。
円高,円安について考えるときには,どちらかを品物にして考えるとわかりやすくなります。
たとえば,円安になると輸出には有利といわれていますが,なぜかわかりますか。1ドル80円から100円になることが円安の例だといいましたが,このとき日本で160万円する車をアメリカで売ったとします。1ドル80円のときは160万円÷80円=2万,つまりこの車は2万ドルで売ることになります。これが1ドル100円になると,160万円÷100円=1万6千,つまり1万6千ドルになるわけです。
値引きはしていませんので,利益は変わりません。それなのにアメリカでは20%も値段が下がったことになります。つまり,それだけ多くの日本車がアメリカで売れることになるのです。
しかし,逆にガソリンなど輸入にたよっている品物は値上がりとなります。また,海外旅行に行くときには,費用が高くなってしまいます。円安にも良い面と悪い面の両方があるのですね。
掲載日:2023年1月31日